お坊さん便

かつて物議をかもした、「Amazon お坊さん便」。
「宗教を商品化するな!」と全日本仏教会と対立していました。
「みんれび」(現在は、「よりそう」)という会社が始めたサービスで、葬儀供養など仏事の際に僧侶を手配し、全国に一律定額で派遣できるサービスでした。

調べてみると、

運営開始は2013年で、2015年からアマゾンで出品。
問い合わせ件数の実績が2014年度と2018年度を比べると約13倍になっていたとか。

僧侶の登録数も増えている。利用者も増えている。→双方にニーズがある。
・・・しかし、仏教会は反対。

2019年に、アマゾンからは撤退していますが、自社サイトからの手配や、やライン公式アカウントからの「お坊さんスマート手配システム」なるものがあるようですよ。
他にも、僧侶派遣会社は、けっこう増えているみたいで、僧侶自身が立ち上げて運営している会社もありました。

「お布施は、サービスの対価や読経料ではない!」というお寺側の主張も、「なるほど」とも思うのですが・・・

ですが、仏事以外の時の檀信徒さんや、それ以外の人たちとの関係性を希薄にしてきたのは、お寺側でもあると思うのですよ。
日頃のあたたかなつながりがあるならば、「気持ち」をお布施にして、お渡しすることに抵抗感はあまりないかもしれません。
そして本当に「気持ち」のお布施金額でよいなら・・・

しかし現に、「(金額が)足りません」と、お布施袋を返された喪主様もいました。
偉そうで横柄な態度の僧侶もけっこういます。
葬儀の司会をしていると、色々な宗派の僧侶と接するのです。
「この寺ないわぁ~」と思ってしまう僧侶もいますし、さらには、「この宗派ないわ!」と、その宗派自体に悪い印象を持ってしまうことも。

「そういう僧侶の仏教って何なんだろう?」と、思わせてしまう僧侶もいます。

反対に、「お話会などお寺でされているのですか?」とお式の打ち合わせの時に、こちらが聞いてしまうほどの、おだやかで、優しく丁寧な僧侶もいらっしゃいました。
またお会いして、お話を聞いてみたい・・・と思ってしまうほどでした。
葬儀のお作法も、ひとつひとつに心を込めて、非常に丁寧にされておられ、美しい所作でした。

また、人間的にも素晴らしい方もいらっしゃいますし、創意工夫して仏教を身近に感じてもらえるような取り組みをされている寺院もたくさんあります。心を尽くして寄り添う気持ちで、様々な改善や努力をされている僧侶の方々もいらっしゃいます。

このコロナ禍で、私たちも社会も、様々な変化の真っただ中です。
お寺も変化の時なのでしょう。

全日本仏教会が、「仏教に関する実態把握調査報告書」をホームページに上げていました。

第6項の「お寺のDX(デジタルトランスフォーメーション)について」は、興味深く拝読させていただいた次第です。