お坊さん、それはちょっと・・・

『グリーフケア入門』という本の、「仏教儀礼のグリーフケアの要素」という項を読み返していました。

ざっくりと要約しますと・・・
『仏教儀礼である、枕経、通夜、葬儀・告別式、拾骨式、初七日、後に続く法要などは、故人を偲び、供養し、手を合わせて、家族や親族、親しい方々と故人を語り合う【場】である』ということなのです。

【用語説明】
枕経:死亡の知らせを受けて僧侶が故人の元へ行き(自宅もしくは葬儀会館などご遺体を安置している場所)読経を行う。本来、昔は、臨終間際の方のそばに僧侶が同席し、その方の心の平穏のため、おだやかな臨終のため、そして臨終後すぐに極楽浄土への旅の道しるべとなるべく、読経を行っていた。
拾骨:「お骨上げ」「収骨」ともいう。火葬後に遺族や親族が箸で遺骨を拾い、骨壺に収めること。
初七日:初七日法要。本来は、亡くなった日から七日目に執り行う法要。(日数の数え方は地域差あり)
ですが、最近は、葬儀・告別式の当日、「お骨上げ」の後に行われることが多くなっている(繰り上げ初七日法要)。また、葬儀・告別式に組み込まれる形での初七日も増えてきている。

ただし!(ここからが重要)

(引用)”葬儀にはグリーフケアの機能があると言われている。だが、それは葬儀の持ち方、係わる者の態度が適切だったときのことである。グリーフワークを阻害することもある。そして、葬儀は遺族にとってグリーフワークの始まりとしてあり、終わりではないのだ。”

まさに、この文言をじっくりと読み込んでいた翌日、とある僧侶が非常にいい事例を(私にとってはいい事例。ご遺族にとっては悪い事例。)見せてくれたのです。

人から紹介していただいた寺院にご遺族が葬儀を依頼し、ご遺族と僧侶が会うのは、通夜が始まる約1時間ほど前という状況のこと。
喪主様をはじめ、ご家族が5名ほどでしょうか、一緒に寺院控え室に入られました。

開口一番、「密になるから離れて!」と、ピシャっと言い放った、その僧侶。

第一声がそれですか?

「密になるのを避ける」ことを伝える言葉は、他にもあると思うのですが・・・というより、あります。

さらには、第一声は、もっと違う言葉かけなのではないでしょうか?

もう一度、引用させていただきます。

(引用)”葬儀にはグリーフケアの機能があると言われている。だが、それは葬儀の持ち方、係わる者の態度が適切だったときのことである。グリーフワークを阻害することもある。そして、葬儀は遺族にとってグリーフワークの始まりとしてあり、終わりではないのだ。”

その僧侶にささげたい、この引用文でした。(泣)