グリーフケア

あなたが亡くされた大切な人は、お父さん、お母さん、ご主人や奥さん、子どもさん、おじいさん、おばあさん、親戚・・・といった、家族や親族の方でしょうか。
それとも恋人や婚約者、想いを寄せていた人でしょうか?
そういったつながりの人であっても、そうでなくても、「大切人を亡くす」ということは、悲しいだけでは表現できないもうどうしていいのか分からないほどの衝撃と気持ちの中で、押しつぶされそうになってしまうことでしょう。

大きな喪失を経験したときの深い深い悲しみを、「悲嘆(ひたん)/グリーフ」といいます。

「人はいつかは亡くなるもの・・・」と、誰もが知っていますが、今、目の前にその現実が突き付けられたら、冷静にそのことを受け止められるものではありません。
もう目をあけてくれない、声も聞くことができない。
もう一緒に時を過ごしていくことができない。

「今」を受け入れられないのに、「この先」を考えることなどできそうにありません。
でも、今はそれでもいいのです。

死別を体験した時の悲しみ、耐えがたいほどの辛い感情・痛み、不安・・・
大切な人を亡くした後のその感情は、自然なことであり、抑えるものではないのです。
そして、悲しさや寂しさだけではなく、時に様々な感情が浮き上がってくることもあります。
怒り、自責の念や後悔、無力感・・・

それも、決しておかしなことではありませんし、身体の不調が出る人もいます。
悲しみの表出は、人それぞれで様々な形があります。
他の人の経験はその人の形であって、同じとは限りません。
あなたは、あなたの悲しみや自分の感情を否定せず、受け止め、認めてあげてください。

私は、葬儀の司会をしていたこともあり、多数のご遺族様方とお出会いしてきました。


「今まで、生き返った人はいますか?」
通夜が始まるまで、亡くなられた奥様のお柩の傍らにいらした喪主様が、真面目で神妙なお顔とお声で、そう尋ねられました。60代くらいの方でした。

「いえ、残念ながら私は、お見受けしたことがないのです。」とお返事すると、「そうですか・・・」と打ちひしがれたご様子でした。
通常でしたら、このような質問などされない方かと思います。ですが、いつもとは大きく違う状況であり、心情です。この方から出たその言葉も、悲しみの表出であると言えるかもしれません。

心にある気持ち・感情は、表出されることを望んでいます。
それは、号泣したり、一人で静かに涙を流したり、といった泣くことだけではありません。
あなたの言葉を、それが悲しみでも怒りでも、また別の感情でも、何らかの形で出してあげてほしいのです。
表出の方法は人それぞれです。

話をすることによって、
感情をノートや紙に書くことによって、
何か作る作業によって、
本を読むことによって、
映画を見ることによって、
旅行に行くことによって、
社寺仏閣に行くことによって、
山に登ることによって・・・etc.

一人ひとりの顔や性格が違うように、悲しみの感情を忘れるのではなく、あなたの中に共にありながらも共に生きていく過程への移行は同じではありません。

辛すぎて、どうすればいいか分からないときには、専門のカウンセリングを受けることも選択のひとつに入れてもいいかと思います。