要介護4になり・・・

伯母サヨコ。私の亡き父の姉で89歳。認知症が進んできている。元は、美容室を長年経営してきた美容師。身寄りがいないため、姪である私が死後までの一切のお世話や手続きなどを託されている。住み慣れた大阪を離れ、私の住む神戸へと移ってきた。最初は向かいの家でスープの冷めない距離に住んでいたが、家の前の坂で転倒、骨折入院。その後、介護老人保健施設を経て、現在はサービス付高齢者住宅に住んでいる。

サ高住(サービス付き高齢者住宅)に住んでいた伯母、サヨコ。
認知症の周辺症状が大きくなってきて、施設内でもだいぶん、スタッフの方の手がかかるようになってきました。尿・便失禁などが頻繁になり(本人の記憶にはありません)、リハビリパンツ(紙パンツ)や中に入れるパットの消費量も目に見えて増えていきました。すると、当然、介護サービスを入れる時間も増えていきました。
まだ歩行器を使ってだと歩けていたのですが、身体の介護度や認知症の症状から、介護度が4になりました。

レビー小体型認知症でよく見られることで、他の人には見えない物が見える「幻視」、そして聞こえるはずのないものが聞こえる「幻聴」もあり、本人(には見えているが)見えないものに向かって大きな声を出し、他の方をびっくりさせてしまうこともありました。

本人にとっては故意ではないのですが、他の方の部屋のドアを開けてしまったことも複数回。
他にも、利用者さんを怪訝にさせてしまう言動もあり、他の利用者さんからクレームがスタッフの方に来ていたそうです。
このコロナ渦ゆえ、全国のほぼすべてのご家族が、同じような状況であったように、家族・親族の面会や外で一緒に外食も禁止でしたから、本人とゆっくり会って話をすることもできない状況でした。
サ高住のスタッフの皆さんは、あたたかな人ばかりで、伯母の言動の報告はあるものの、きつく言われることはありませんでした。

ですが段々と、「病院で薬の調整という方法もありますよ」と、言われることも出てきました。
病院とは、精神病院です。
認知症で集団生活がままならない人は、一旦病院に入院し、その間に薬を調整して穏やかな状態にする・・・というものです。
身体の病気でない伯母を、精神病院に入れることは避けたいと思っていました。

ですが、サ高住は、基本的には自立生活ができる人が対象です。
要介護度が上がっても、集団生活が可能ならば(すなはち、場を乱さない、手がかかり過ぎないこと)、介護サービスを付けて、居住を続けることができます。
伯母の場合は、集団生活に適さなくなってきたのです。

ケアマネージャーさんと相談し、病院へ入院→特養(特別養護老人ホーム)→(集団生活が無理ならば)ケアホーム(認知症の人に特化した老人介護施設)→(ケアホームになじめなければ)私の自宅

という段取りを作りました。
伯母には、今の状況を説明し(どこまで理解していたかはわかりませんが)、サ高住を退去して病院へ入院となりました。
伯母には、「他の人には見えないものが見えてしまうのを、薬で調整してあまり見えないようにしていくため」と伝えました。

ところが、すべての計画が崩れることになってしまいました。